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| 戸倉ダムから撤退 |
▽(百二十三番青木英二)東京都は、八ツ場ダムの必要性を水源確保に求めていますが、現時点でさえ、水需要の予測と実績とに大きな乖離があるなかで、八ツ場ダムが完成するであろう頃には、今後の人口の減少、あるいは、地下水など他の水源の利用転換などにより、需要に十分対応できるとの指摘もあります。しかも、本来であれば、すでに明かなっていい第五次フルプランにおける水需要予測が、未だに公表されないというのであっては、その必要性を水源確保に求めるのは、根拠がいささか薄弱です。
社会経済状況が変化するなかで、また、いまだ新たな水需要予測が公表されないなかで、八ツ場ダムの必要性について、どのように認識しているのか、見解を伺います。 |
【知事石原慎太郎】八ツ場ダムの必要性についてですが、水は政(まつりごと)の根幹であり、水を治め、水を安定的に供給することは、国や自治体の重要な責務であります。都は、水源の大半を他県に依存しており、これまでも、水源地の理解と協力を得ながら、必要なダムの水源開発に参画してまいりました。当然のことながら、参画に当たっては、将来の水道需要を適宜見直し、水源開発との整合を図ってきたところです。八ツ場ダムについては、将来の水道需要の見直しを織り込んでもなお、渇水に対する安全性を確保する上で、不可欠なものと判断しております。 |
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▽(百二十三番青木英二)八ツ場ダムに関する今回の知事の提案は、現行計画で2,110億円の事業費を4,600億円に変更するというものです。
八ツ場ダムの事業費は、かねてより2,110億円では済まないと言われていましたが、これが改めて4,600億円にふくれあがると聞いて、国の事業費算定に、怒りを禁じ得ません。
この国のやり方を見れば、4,600億円の事業費が、今後、さらに増えることさえ予想され、これが水道料金の値上げにつながれば、都民の理解は到底得られません。
東京都は、現地に職員を派遣するなど事業費を検証したとしていますが、2倍以上にふくれあがった事業費に本当に納得し、請求通り負担するつもりなのか、改めて見解を伺います。 |
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| 【都市計画局長勝田三良】八ツ場ダムの事業費増加についてでありますが、八ツ場ダムは、昭和27年(1952年)の構想発表以来、長年にわたり、賛否をめぐる議論がありました。この間、事業者である国と地元との間に、群馬県が仲介に入ることで、生活再建についての覚書が締結され、ようやく、昭和61年(1986年)に、現在の基本計画が策定されたところであります。それにより、測量等の現地調査が、はじめて可能となり、付け替え道路等の詳細な検討に入るとともに、生活再建についても、本格的な調整が進み、平成13年(2001年)に補償基準の妥結に至ったのが、増額の一つの要因でとなっています。 加えて、その間、十五年以上が経過しており、物価上昇や消費税導入などの社会経済的要因もあり、事業費の大幅な増加となったものです。 |
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| ▽(百二十三番青木英二)八ツ場ダムでは、すでに、国道や県道、JR吾妻線の付け替え工事、代替地の造成などで1,500億円が費やされていますが、事業が進んでいるということで、事業を正当化するという立場には立ちません。現在時点で撤退した場合、メリット・デメリットについて伺います。 |
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【都市計画局長勝田三良】八ツ場ダムから撤退するとした場合のメリット、デメリットについてでありますが、八ツ場ダムは、将来にわたり、渇水に対する安全性を確保する上で不可欠なダムであり、撤退するメリットを挙げることは困難です。
他方、仮に撤退した場合には、将来の給水の安定性の確保に大きなリスクを生むことになります。加えて、長年にわたる賛否をめぐる議論を経て、生活再建の途を定めた多くの地元住民の生活設計に、大きな混乱を来たすほか、水源の大半を他県に依存する都として、水源地との関係に多大な影響を被ることが考えられます。 |
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▽(百二十三番青木英二)国土交通大臣からの意見照会に応じて、八ツ場ダムの事業費変更を、議会に提案しているのは、関係する一都五県のうち、東京都と栃木県だけで、他の自治体は提案を見送っています。
事業費変更に伴う予算の支出は平成17年度(2005年度)からであり、ましてや八ツ場ダムの必要性の根幹をなす水需要予測がもうじき公表されるであろうことなどから、東京都が、何故、他の自治体に先駆けて、国の事業費増という要求に応じようとするのか理解できません。
八ツ場ダムに関する国への回答については、水需要予測など十分な議論ができる材料が揃った時点まで待つこともひとつの選択肢であると考えますが、見解を伺います。 |
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【都市計画局長勝田三良】議会への付議の時期についてでありますが、水需給の現状と見通しや、水源確保の状況には、八ツ場ダム関係都県の間でも差があり、対応の違いとなって現れていると考えております。しかしながら、八ツ場ダムの必要性については、関係都県が共通して認めているところであります。
都といたしましては、将来の水需給について見直すとともに、改定された事業費についても、可能な限り検証を加え、国に対して、徹底したコスト縮減への取り組みを求めているところです。その結果、今議会に付議することが適当であると判断したものであります。 |
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▽(百二十三番青木英二)平成の時代に入ってから平成12年度(2000年度)末までに、全国において大小六十四のダム事業が中止になるなかで、今回提案されている八ツ場ダムだけでなく、東京都が参画する水資源全体について、この際、徹底的に見直していくべきと考えます。
東京都が参画しているダム事業は現在、八ツ場ダムのほかにも、埼玉県の滝沢ダム、群馬県の戸倉ダムがありますが、なかでも、戸倉ダムについては、本格的な工事に至っていないばかりか、自然環境に与える影響が著しく大きいものと考えています。
戸倉ダムの事業予定地は、尾瀬の登山口の一つである大清水の間近にあり、また、その一部が日光国立公園内に位置するとともに、希少猛禽類を頂点とした豊かな生態系が保たれています。さらに、この地域を流れる片品川上流は、ミズバショウやニッコウキスゲの美しい尾瀬を控えているのです。
こうした自然に囲まれる貴重な地域に、高さ158メートルという日本で三番目に高いコンクリートダムを作ることこそムダな公共事業であると考えます。
戸倉ダムについては、撤退を求めます。 |
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【知事石原慎太郎】戸倉ダムについてでありますが、都としては、建設中の滝沢ダム、八ツ場ダムの完成により、将来の安定的な給水の確保に一定の見通しが得られると考えています。現在、都は将来の水需要の見直しを進めており、また、渇水に対する安全性等を総合的に検討しております。その結果、本格的な工事には未着手の戸倉ダムについては、参画を見直し、事業から撤退する方針です。 |
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