談話室

平成17年6月15日(水) 時代の流れとは

昨日の公開討論会。質問の一つが「少子化」でした。私は自分が仕事してきた一人の女性ということもあり、どうしてもこのテーマでは聴衆に伝えたい事実がありました。
 「専業主婦より仕事を持つ女性のほうが出生率が高くなっている」というトレンドです。02年の国立社会保障・人口問題研究所の調査で「専業主婦の平均出生率は2.28人、仕事を持つ女性の出生率は2.33人」と報告されています。
 今、世界各国が少子化に悩んでいます。現実をきちっと見据えれば、日本の少子化には二つの要因があります。ひとつが、こうした世界中の先進国が直面している成熟化減少として不可避な少子化。もうひとつが、日本の場合色濃いのですが、「政策ミス」としての少子化です。
 自然の少子化には打つ手は少なくても、政策ミスとしてのそれにはたくさん対応の手だてがあるはずです。実際、OECDは「政策努力で日本の出生率は2.0まで上昇する(今は1.29)」と発表。政策とは「保育システムの増加や子育て経費の負担軽減(税制優遇や児童手当)」です。仕事を持つ女性が求めているものと合致します。
 スウェーデンでは閣僚として「家族・家庭大臣」がいます。日本も厚生労働省の一部局などで対応するのではなく、最優先の事柄として、このテーマを位置づけるべき、優先順位と価値観の切り替えを訴えました。これが現代という時代の流れだと把握しているからです。