談話室

平成17年9月20日(火) 瞬間豪雨と都市水害

 9月4日の豪雨はすごいものでした。東京の雨量は1時間当たり110ミリ。ちなみに1日に400ミリ以上の豪雨降った日数は、昨年30回、今年はすでに 38回。1976から95年は平均5.8回ということを考えると、確実に「地球温暖化による異常気象」と「都市化での瞬間豪雨」の影響が出ていると思われます。

 杉並での大量の浸水が典型的ですが、都市災害の大きなものの一つがこの瞬間豪雨による浸水です。なぜこんな事態になるのでしょう。
 
 80% 以上がコンクリートとアスファルトといった人工物に覆われた東京。雨は地面に吸収されず、下水管から一気に路上へ水が溢れることとなります。場所によっては1時間に300ミリの雨で下水は溢れ道路に冠水します。東京都では37年かけて川幅を広げる大雨対策を行ってきましたが、達成率は現在でも60%。狭い東京という土地柄、この政策も限界に来ています。

 そこでもう一つの策として地下貯水で対応してきましたが、これも先日の豪雨では限界が見えてしまいました。「1時間に50ミリの雨でも対応できる」と行政は意図していましたが、先日の豪雨の前には無力でした。

 ではどうしたら? 今後は、前述の河川対策・地下貯水対策合わせて、一人一人と地域の取組みとして雨水を溜め込む施策が重要になると考えます。

 もともと自然では、雨は降った土地で吸収されます。それが人工物・非自然物に遮断されているわけで、都会での一番の「自然」である私たち一人ひとりの暮らしの場、家や建物、公共施設といった部分で少しでも雨水を溜め込む工夫が大切になるわけです。このシステムの導入のための呼び水になる政策がとても重要だと痛感しています。