福祉大国スウェーデンの選挙と政治ルポ特集4

スウェーデンの政治模様、極右とフェミニズムが参戦

 左右ブロックの7主要政党が競う構図にくわえ、今回支持を拡大しているのが極右のスウェーデン民主党と、徹底した男女平等を掲げるフェミニストイニシアティブの2党だ。

移民の排斥を強行に主張するスウェーデン民主党は、保守ブロックから枝分かれした勢力。ジミー・オーケソン党首は35才と若く、アフリカや中東、東欧などから移民を多く受け入れてきたスウェーデンのこれまでの政策を全否定。その過激さに支持が集まっている。ちなみに、党首はもちろん、候補者からも移民に対する差別発言が散見され、メディアに度々取り上げられていた。

フェミニストイニシアティブは、元左党の女性党首グードルン・シューマンが代表をつとめる。男女平等の進んだスウェーデンで、より平等促進という政策が野心的だ。この左右両派からスピンオフした両党がどれだけ既成政党の支持を奪うかに注目が集まっていた。

保守・穏健党のポスターの上に設置された社民党ロヴェーン党首のポスター。イスとりゲームのような熾烈なポスター戦。だがこのポスターも投票日の前日に行われる「ストックホルムマラソン」のため撤去されてしまった。

保守・穏健党のポスターの上に設置された社民党ロヴェーン党首のポスター。イスとりゲームのような熾烈なポスター戦。だがこのポスターも投票日の前日に行われる「ストックホルムマラソン」のため撤去されてしまった。