福祉大国スウェーデンの選挙と政治ルポ特集6

極右の躍進とフェミニズムの不発

 今回、右ブロックの政党では、穏健党が23.3%の支持を得たが、他の政党はおおむね5%しか支持を獲得できなかった。これに対し、事前の予想を大きく上回る得票をしたのが極右のスウェーデン民主党。なんと12.9%と二ケタ台の支持に躍進し、第三党に躍り出た。日本の2012年総選挙時の維新の党を彷彿させる。この結果、左右両政党ブロックとも50%の過半数を維持できず、スウェーデン民主党がキャスティングボートを握るかもしれない構図となった。しかし、「移民排斥を主張している民主党とは協力しない」と両ブロックの政党は明言していて、見通しは未知数だ。

 スウェーデンでは、得票率が4%を越さないと議席が割り当てられない。当初フェミニストイニシアティブはこのハードルを突破するかと思われていた。しかし結果は3.1%と届かず。国会進出の夢は実現できなかった。

選挙戦最終日。ストックホルムいちばんの目抜き通りのドロットニング・ガータンでポスターを貼るフェミニストイニシアティブの運動員。ポスター右下にある「F」が同党のシンボルマーク。

選挙戦最終日。ストックホルムいちばんの目抜き通りのドロットニング・ガータンでポスターを貼るフェミニストイニシアティブの運動員。ポスター右下にある「F」が同党のシンボルマーク。